政治資金規正法改正
下記が令和7年1月に公布され、政治資金規正法が改正されました。適用は、令和8年分収支報告書(解散分収支報告書を除く)からになります。
- 政治資金規正法の一部を改正する法律(令和7年法律第1号)
- 政治資金規正法等の一部を改正する法律(令和7年法律第2号)
- 政治資金監視委員会等の設置その他の政治資金の透明性を確保するための措置等に関する法律(令和7年法律第3号)
主な改正内容について、政治資金監査の強化以外にも政治資金パーティーの対価の支払方法の制限や外国人・外国法人等による政治資金パーティーの対価支払の禁止等など、政治資金に対する規制の強化や国会議員関係政治団体の代表者の責任の強化等や収支報告書等のオンライン提出の義務化など、団体代表者やご担当者による対応が必要な事項などが含まれています。(詳細は、総務省HPや「改正政治資金規正法等の概要」、「政治資金規正法のあらまし」をご覧ください。)
その中でも政治資金監査に影響を与える改正は大きく2つになります。
- 政治資金監査の対象団体の拡大
- 監査範囲の拡大
1.政治資金監査の対象団体の拡大
(従前の政治資金監査の対象団体)
| 【1号団体】 | 国会議員に係る公職の候補者が代表者である資金管理団体その他の政治団体(法第19条の7第1項第1号) |
| 【2号団体】 | 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第41条の18第1項第4号に該当する政治団体(いわゆる寄附金控除制度の適用を受ける団体)のうち、特定の国会議員に係る公職の候補者を推薦し、又は支持することを本来の目的とする政治団体(法第19条の7第1項第2号) |
| 【みなし1号団体】 | 政党支部であって、国会議員に係る選挙区の区域又は選挙の行われる区域を単位として設けられるもののうち、国会議員に係る公職の候補者が代表者であるもの(法第19条の7第2項) |
従前の上記団体に加え、下記の団体が政治資金監査の対象となります。
| 【3号団体】 | 法第5条第1項第1号に掲げる団体(政治上の主義又は施策を研究する目的を有する団体で、国会議員が主宰するもの又はその主要な構成員が国会議員であるもの)(いわゆる派閥・政策研究団体)(法第19条の7第1項第3号) |
さらに、以下のいずれかに該当する寄附の金額が1,000万円以上となった政治団体は、その年及びその翌年において政治資金監査の対象となります(法第19条の16の3第1項)。
① 同一の国会議員関係政治団体(3号団体を除く。)から受けた寄附の金額合計
② 同一の3号団体から受けた寄附の金額合計
2.監査範囲の拡大
国会議員関係政治団体の政治資金については、国債証券等又は金銭信託による運用に係るものを除き、銀行その他の金融機関への預貯金の方法により保管するものとされ(19条の8の2)、収支報告書に記載すべき翌年への繰越しの金額が、収支報告書に記載すべき年の12月31日等における預貯金口座の残高について、「残高確認書」や残高不一致の場合の「差額説明書」の突合や閲覧の手続が追加で求められます。
なお、代表者による確認書制度について、会計監査手続の「経営者確認書」とは全く別の制度になります。
具体的には、登録政治資金監査人が行う監査手続ではなく、会計責任者が代表者に収支報告書に関する説明を行い、代表者が会計責任者に交付する書面となり、収支報告書に添付して総務省又は都道府県の選挙管理委員会に提出されます。
3.政治資金監査実務への影響
改正に伴い、政治資金監査の対象となった団体については、登録政治資金監査人の手配が必要になります。
登録政治資金監査人について弁護士、会計士、税理士のいずれかの資格が必要となりますが、国会議員関係政治団体提出期限の5/31付近に集中することが多く(計画や担当者のリソースに依るところが多いかと思いますが)会計士や税理士は繁忙期(3月決算の会計監査や税務申告)と重なるため、直前でのご依頼はお受けすることが難しい可能性もありますので、早めに確保することが必要になります。
追加の要求事項は、政治資金の保管が原則として預貯金とされ、残高証明書の入手が必要になります。
ただ、現金で管理している場合でも「差額説明書」に手持ち資金を現金で保有している旨の記載を行うことや、証明力の要求水準次第で残高証明書でなくとも通帳残高が確認できれば足りる可能性もあります。
今回の改正について、政治資金監査の視点では、大きな影響はない印象です。
ただ、計画的な事前準備を怠った場合に収支報告書を期限内に提出できない可能性もありますので留意が必要かと思います。

